UAのセカンドフルアルバム『AMETORA』独特の気だるさが深い部分へと誘う傑作。
制作年/1998/04/22
収録時間/70分13秒
レーベル/SPEEDSTAR
11月は暖かいって言ってたのに
寒い。なんと寒いことか。いや、でもまだ真冬ではなくて。でも寒さ対策しなければ。
こんな季節は着るものに困る。着るものに困ると何をしていいかにも困ってくる。
そうなるともう何を聞いていいのかも困ってくる。
あぁ、毛布にもぐりこみたい。そして寝てしまいたい。
寒さ対策にはそれしかない。
UAの『AMETORA』はきっとそんなときのために必要な音楽なのかもしれない。
夢の中であっという間に色んな国を旅しているようにR&Bやロック、ジャズ、ダブ(レゲエのリズムに過剰な効果を加えたもの)など様々な要素が浮遊している。
メロディーは気分のように明るいもの、暗いもの、のんきなものとそれこそ様々。
しかし一貫しているのは柔らかい暖かさである。たとえ暗いメロディーであろうと。
それこそまさに毛布のようなものである。
その柔らかな暖かさは寒さの中にこそ大切で、ゆっくりと暖め、深い夜の底へと誘い、心地よい眠りに入っていくのだ。
前述した一貫した柔らかい暖かさやはりUAの歌によるものだろう。
のびやかにしなやかに、それでいて芯がつよい歌声は、妙な力みを感じさせずに少しの暖かさだけを残していく。
はっきりと曲ごとに違うリズムやメロディーに対して、大きく歌い方を変えないことでかえって繊細さが際立っている。
その繊細さが柔らかさとなり、本人の声が暖かさに繋がっているのではないだろうか。
極めつけは12曲目の「ミルクティー」である。
もう柔らかな暖かさ、つまり毛布以外の何者でもないと思うのは筆者の独断である。
それほど絶妙にリズムとメロディーと歌、そして歌詞が溶け合っている。
雑に箇条書きされたような日記的な詩とは全く別物の世界観がより聞くものに染み渡っていくことだろう。
さぁ、寒い季節には暖房より毛布。
毛布に包まりながら柔らかく暖かい音楽で寒さ対策なんていかがだろうか。
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