堀込 泰行、堀込 高樹による兄弟バンドキリンジのメジャー3枚目のアルバム。ソフトな暖かさと爽やかさ、切なさに、ほんの少しのスパイシーさが混ざり合った傑作。
制作年/2000/11/08
収録時間/69分39秒
レーベル/A.K.A.
ニューアルバム、そして脱退
1996年から活動する堀込兄弟によるバンド(本人たち曰くデュオではなくバンドであるとのこと)であるキリンジ。
そんな彼らだが、2012年11月07日にニューアルバム『SUPER VIEW』の発売が予定され、2013年春に行われる「KIRINJI TOUR2013」の最終日をもって弟である堀込 泰行が脱退すると発表された。
ショックなニュースではあるがそれぞれソロで活動していたりもするし、これからの動向についてますます気になるところだ。
さて、ニューアルバム『SUPER VIEW』、そして脱退のニュースをきっかけにキリンジの過去を少し振り返ってみたくなったので今回はメジャー3枚目となる、タイトルもそのまんま『3』。
日常に潜むエイリアンズ
なぜこのアルバムなのかって?
聞いてないって?
旦那、聞いておくんなさいよ!
それはキリンジを知ったきっかけがこのアルバムに収録されている「エイリアンズ」だからである。
そう、ただの思い出である。
それでもキリンジと聞けばやはり「エイリアンズ」が勝手に頭に流れてくるほどの名曲なのである。
都会的な音の風景
ただ、もちろん「エイリアンズ」だけではなくて、アルバム全体の空気感がとても都会的なのだが、その風景はとても抽象的なのところがとても新鮮で気に入っている。
例えば綺麗に加工された都会の風景写真の片隅に写る寂れた公園であったり、疾走していくスポーツカーの中からはとても煌びやかな夜景が見えるのだけれども、ざわついた外の音は一切遮断され、スピードを上げすぎてスローになっていくようなそんな感覚の中に響き渡る音楽なのだ。
日常的な歌詞には塩を少々…のような非日常的な言葉が程よくちりばめられていて、それらは容易に聞くものにストレスを与えずに現実から引き離して旅立たせてくれる音楽。
さぁ、これをいったいいつ聞こうか。
筆者は車でのデートが最適だと思っている。
デートにつれだそう。
肩肘を張らない程度にかっこつけ、度が過ぎない程度に冗談がまざり、穏やかに綺麗な旋律が流れていく。
まさにデートにぴったりな音楽ではないだろうか。
万人にウケる音楽というのは難しいだろう。というかそんなものはないだろう。
それでも音楽界や文学界のさまざまなジャンルの数多くの著名人からこんなに愛されているバンドもなかなかいないと思う。
そこにはジャンルを超えて言葉が、音があるからではないだろうか。
秋から冬にかわろうかというこんな時期に、車にキリンジ『3』を忍ばせてコジャレたデートでもしてみてはどうだろうか。
そして素敵なデートに成功したらニューアルバム『SUPER VIEW』を次回のデートのために予約してみては。
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