大物アーティストが映画主演をいきなりするというのは、結構ありがちなこと。
8マイルのエミネム、マイ・ブルーベリー・ナイツのノラ・ジョーンズなどなど。しかし、どの作品も意外と面白いんです。
アーティストの演技力が素晴らしいわけではありません。下手くそな演技を十分におぎなえる歌唱シーンのせい、、だけというわけでもないんですよね。

ざっくり言うと
アーティスト映画主演には名俳優が必要
大物アーティストが映画主演すれば、そのファンが必ず観に来ます。お杉が再三、言っていますが映画がビジネスである以上、これはとても重要なポイントです。
ファンが観に来ることを想定できるので、映画に出資しているスポンサー企業も最低収益をある程度は予想できます。
だから、周期的に大物アーティストの大作映画主演というのは作られ続けるのです。
しかし、歌が上手でその上、俳優としての演技力も抜群なんてことは、まずあり得ません。映画として成り立たせる為には、演技力抜群の名俳優陣たちで脇を固めなくてはいけません。
アリーの主演レディーガガの脇を固めるのは、監督兼主役であるブラッドリー・クーパー。
『世界にひとつのプレイブック』で第85回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、それ以降、『アメリカン・ハッスル』、『アメリカン・スナイパー』と3年連続でアカデミー賞にノミネートという、とんでもない俳優さんです。
おまけにアリー/スター誕生の監督でもありますから、アーティスト、レディーガガの穴である演技力をしっかりと埋めてきていることでしょう。
演技力の無さは歌ってカバーする
アーティストの演技は観ていられないところがありますが、それでも名作が多いのは、劇中必ずある歌唱シーンのせいかもしれません。
どんなに残念な演技をしていても、アーティストを起用している以上、必ず歌を歌うシーンが入ってきます。それも、映画のために書き下ろされた曲やストーリーにマッチする歌詞が入っているようなもの。
歌で成り上がってきた人たちですから、それを映画館の大スクリーンと大音量で見せられれば、そりゃあ誰だって圧倒されます。
エミネムにノラジョーンズも映画主演
半自伝的ストーリーに本人が本人役として出演し、主題歌まで歌ったこの曲は2003年度アカデミー歌曲賞を受賞。
エミネムの演技力を女優のブリタニー・マーフィがしっかりとサポートしています。iccoはブリタニーマーフィのファンだったので、複雑な気持ちでエミネムを羨みました。
デビューアルバムでいきなり2300万枚を売り上げ、グラミー賞獲得。そのほか数々の賞を総取りし、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのアヴリルラヴィーンのグラミー賞獲得を阻んだノラジョーンズ。
これだけのCD売り上げとコアなファンを持つ彼女を主演に抜擢すれば、それは間違いなく売れますよね。
日本のアーティストの邦画主演作品
洋画でアーティスト×映画の組み合わせが絶えず作られるように邦画でも、同じように有名ミュージシャンが邦画に主演しています。
ただ、洋画であれば演技力がなくても英語で喋っているので、下手くそなセリフや演技でもあまり気になりませんが、邦画だと日本語ですからそうもいきません。
海外同様に実力派の俳優陣が脇を固めて何とかバックアップしていますが、それでも正直「ん?」となるシーンが多発します。
余程、そのアーティストが好きじゃないときついものがありますね。
CHARAもYUIも映画主演
渡部篤郎、江口洋介、山口智子など実力と人気を兼ね備えた俳優陣で、人気アーティストCHARAの脇をがっちりと固めています。
CHARAはこの作品で第11回高崎映画祭、最優秀主演女優賞を受賞しています。
演技はともかくとして、作中の歌唱シーンはさすが。でも、無駄に歌うシーンが多すぎて「え?」ってなります。
1993年の香港映画『つきせぬ想い』のリメイク的作品。当時売れっ子のyuiを主演に起用し、岸谷五朗、塚本高史なども出演。
主題歌であるgood bye daysは20万枚を超えるヒットを記録、ドラマ化、舞台化、さらに、ハリウッド映画ミッドナイト・サンとしてリメイクもされました。
リメイクまでされるほどですから、脚本とストーリー性が素晴らしい証拠ですが、アーティストの女優デビューとしては、SPEED主演のアンドロメダを彷彿とさせました。
相当、嫌だったんでしょうね。
演技力も歌唱も抜群のアーティストのビョークだけど
しかし、中には俳優をも凌ぐ演技のアーティスト主演作品もあります。その最たるものは、ダンサー・イン・ザ・ダーク。
世界的ミュージシャンであるビョークは、第53回カンヌ国際映画祭で主演女優賞を獲得、作品も最高賞であるパルム・ドールを獲得しています。
世界三大映画祭の主演女優賞を取るなんてことは、いくらビジネス的に裏で色々と黒い力がうごめいていたとしてもすごいことです。この作品の主人公はビョークにしか演じることはできないでしょう。
アーティストでありながら、主演女優賞を獲得できることはすごいことですが、ダンサーインザダークに関しては、この作品とビョークの組み合わせだからこそ生まれた名作です。
プロの俳優は作品に合わせて役を演じますが、アーティストにはきっとそれができません。
アーティストに合った(合わせた)映画だからこそ、これほどの名作と絶賛される演技が生まれたように感じます。
英二の長渕剛も
長渕剛主演のドラマ「とんぼ」続編となる「英二ふたたび」そして、劇場版となる「英二」劇場版になるほどのヒットを記録したこの作品。
長渕剛演じる、英二の演技はとことんはまり役ですが、アニキはきっと英二しか演じることはできません。
これもアーティストが役を演じ分けることはできず、役がアーティストにマッチしているかの典型例。
自身で生み出すアーティストと、自分ではないものを演じる役者。どちらもすごい職業ですね。
脚本
エリック・ロス
ブラッドリー・クーパー
ウィル・フェッターズ
原作 ウィリアム・A・ウェルマン
『スタア誕生』
製作
ブラッドリー・クーパー
ビル・ガーバー
ジョン・ピーターズ
トッド・フィリップス
リネット・ハウエル・テイラー
製作総指揮
バジル・イワニーック
ラヴィ・D・メータ
ヘザー・パリー
マイケル・ラピーノ
撮影 マシュー・リバティーク[1] 編集 ジェイ・キャシディ[1]
ブラッドリー・クーパー
レディー・ガガ
サム・エリオット
アンドリュー・ダイス・クレイ
デイヴ・シャペル

もしや、ロックスターを演じていたのかもしれません。

あー、これめっちゃ観たい。
しかも、泣くかも。
吉川晃司では泣かないけど、レディーガガなら泣くかも。
しかも、ブラッドリークーパーが監督とか激アツやーん!!
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期待度(80%) 匂います。名作の匂いがするんです。